バイクを売却するときは、車両の名義変更だけではなく、自賠責保険の扱いも決める必要があります。手続きをせずに放置すると、保険会社からの通知が旧所有者に届いたり、事故時の対応が複雑になったりする恐れがあるため注意が必要です。
本記事では、バイク売却時に自賠責保険を譲渡・解約する方法や、保険期間が残っている場合の扱いを解説します。必要な手順を把握し、売却後のトラブルを防ぎましょう。
バイクの自賠責保険とは?

自賠責保険とは、交通事故の被害者を救済するために設けられた保険です。原付を含む全てのバイクに加入が義務付けられており「強制保険」とも呼ばれます。
補償の対象となるのは、バイクの運行によって他人を死亡させたり、けがを負わせたりした場合の対人損害です。事故の相手に対して、治療費や休業損害、慰謝料などが一定の限度額まで支払われます。
一方、自賠責保険では、以下のような損害は補償されません。
- 相手の車両や建物などに与えた損害
- 運転者自身のけが
- 自分のバイクの修理費
- 自賠責保険の限度額を超える対人賠償
自賠責保険だけでは、事故による全ての損害を補えない可能性があります。現在、死亡事故等における補償金額は高額になる傾向にありますし、高級車にぶつけた時のことも考えると、対物賠償や人身傷害などを付帯できる任意保険に加入することをお勧めします。
バイクを売却する際に自賠責保険はどうする?

バイク売却時の自賠責保険は、車両の登録を残すか、いったん廃車にするかによって扱いが異なります。ここでは、権利を買主へ譲渡する方法と、廃車後に解約する方法を解説します。
権利を買主へ譲渡する
バイクの売買時、一般的に250cc超のバイクで車検が残っている場合は、残っている車検を含めて名義変更による売買を行いますので、自賠責保険も譲り渡すことになります。250cc以下のバイクについては、通常売買時には廃車しますので、自賠責保険を譲り渡す必要はありません。
廃車手続きの後に解約する
一度バイクを廃車にしてから売却する場合は、廃車手続きの完了後に自賠責保険を解約します。ただし、自賠責保険は加入が義務付けられた保険であり、単にバイクを売却したという理由だけで自由に解約できるものではありません。
解約するには、ナンバープレートの返納や登録の抹消を行い、バイクが公道を走行できない状態になったことを証明する必要があります。廃車申告受付書や返納証明書など、排気量に応じた廃車証明書を取得した上で保険会社へ申請します。
なお、バイクの廃車手続きを終えても、自賠責保険は自動的に解約されません。保険料の返戻を受けたい場合は、廃車手続きとは別に保険会社への申請が必要です。
買取業者へ廃車手続きを依頼した場合は、廃車が済んでいる証明を受け取り、自賠責保険の保険会社に自分で申請しなければ解約返戻金を受け取ることはできません。
自賠責保険の期間が残っている場合の扱い
250cc以下の車両の売却時に自賠責保険の有効期間が残っている場合、解約返戻金を受け取れるケースがあります。
解約返戻金を受け取れる場合がある
廃車後に自賠責保険を解約すると、保険期間の残り方によっては解約返戻金を受け取れます。返戻金が発生するかどうかや金額は、残存期間と保険会社が定める基準によって決まります。
支払った保険料が、そのまま日割りや単純な月割りで戻ってくるわけではありません。契約期間がほとんど残っていない場合は、解約しても返戻金が発生しない可能性があります。
また解約の基準日は、廃車手続きをした日ではなく、保険会社が必要書類を受け付けた日となるのが一般的です。そのため、廃車後に申請を先延ばしにすると、受け取れる金額が少なくなる恐れがあります。
返戻金を受け取る予定であれば、廃車を証明する書類や自賠責保険証明書を早めに準備し、速やかに申請するとよいでしょう。具体的な金額や必要書類は保険会社によって異なるため、契約先の案内を確認することが大切です。
バイクの売却に伴い自賠責保険を解約する手順
バイクを廃車にしてから売却する場合、または売却後に買取業者に廃車してもらう場合は、廃車手続きとは別に自賠責保険の解約申請を行います。返戻金が発生する可能性もあるため、必要書類を早めに準備することが重要です。
1.廃車手続きの完了を確認する
最初に、ナンバープレートの返納や登録の抹消など、廃車手続きが完了しているか確認します。バイクを売却しただけでは、原則として自賠責保険を解約できません。
自分で廃車手続きを行った場合は、窓口から交付された証明書を紛失しないように保管します。書類の名称は排気量によって異なり、廃車申告受付書や軽自動車届出済証返納証明書などが該当します。
買取業者へ手続きを任せた場合は、証明書の写しを受け取りましょう。受け取り方はメール、郵送、ダウンロード等様々ですが、受け取れる時期をあらかじめ聞いておくと安心です。
2.必要書類をそろえる
廃車の完了を確認したら、自賠責保険の解約に必要な書類を準備します。一般的には、以下の書類や情報を求められます。
- 自賠責保険証明書
- 廃車を証明する書類
- 本人確認書類
- 保険会社所定の解約申請書
- 返戻金の振込先口座
- 印鑑または署名
原付、軽二輪、小型二輪では、廃車を証明する書類の名称や様式が異なります。手元の書類が申請に使用できるか分からないときは、保険会社へ問い合わせるとよいでしょう。
Webで申請する場合は、書類を撮影またはスキャンしてアップロードする方法が一般的です。文字がぼやけていたり、書類の一部が画像から切れていたりすると再提出になるため、内容が鮮明に読み取れるか確認してください。
3.契約先の保険会社へ解約を申請する
必要書類を準備したら、自賠責保険証明書に記載されている保険会社へ解約を申請します。申請方法は、Web、郵送、営業店の窓口など、保険会社によってさまざまです。
Web手続きに対応している場合は、必要事項を入力し、廃車証明書や本人確認書類の画像を提出します。郵送するときは、送付先や原本・コピーの指定を確認してから発送する必要があります。
先述のように、廃車手続きを終えただけでは自賠責保険は解約されません。解約日は、保険会社が不備のない申請書類を受け付けた日を基準とする場合があります。
申請が遅れると、残存期間が短くなり、解約返戻金も少なくなる可能性があります。廃車を証明する書類を受け取ったら、できるだけ早く申請を進めるとよいでしょう。
4.解約完了と返戻金の入金を確認する
申請後は、保険会社から届くメールや書面を確認し、解約手続きが完了したか確かめます。不備がある場合は追加書類の提出を求められることもあるため、連絡を見落とさないよう注意が必要です。
解約返戻金が発生するときは、申請時に指定した口座へ振り込まれます。ただし、保険期間の残りが少ない場合は、返戻金を受け取れない可能性もあります。
振込予定日や金額は、保険会社からの案内で確認しましょう。一定期間が経過しても連絡や入金がない場合は、申請時の受付番号などを用意した上で問い合わせると確認が円滑です。
自賠責保険の扱いを確認してバイクを適切に売却しよう
バイクを売却する際は、車両の登録を残すなら自賠責保険の権利を買主へ譲渡し、廃車にするなら保険会社へ解約を申請します。車両の名義変更や廃車手続きだけでは、自賠責保険の契約内容は自動的に変わりません。
保険期間が残っている場合は、廃車後の解約によって返戻金を受け取れるケースがあります。売却方法を決める際は、自賠責保険を誰がどのように処理するのかも確認しておくことが大切です。
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